僕は飲食業もやっていますが、その中で様々な料理を仕事とする人々に出会ってきました。

その経験から学んだのか、あるいはその経験によって、もともと持っていたものに磨きがかかったのか、定かではありませんが、仕事ってどういうことか、僕の仕事観を確認したことがあります。

僕はオープンキッチンの店しか作ったことがありません。それは、僕にとっての飲食業を、料理を作る人にもわかってほしい、共有したいと思ったからです。

料理人の仕事は料理を作ってなんぼ、ではありません。「料理を食べてもらってなんぼ」、更に言えば、「料理で笑顔になってもらってなんぼ」なんです。

仕事の対象は食材ではなくお客様。であれば、お客様の顔が見えるオープンなキッチンでなければ仕事は全うできません。

料理店の広告で、よく「おもてなしの心」という言葉が使われます。

僕にとっての「おもてなしの心」とは、まさにこれなんですね。

ちょっと変なこと言いますね。

金魚すくいでうまく金魚をすくうコツ、わかりますか?

それは、「金魚の気持ちになって」すくうことです。

その心をもって臨むのとそうでないのとでは、すくう数が違います。試してみてください。

足に止まって今まさにあなたの血を吸おうとしている蚊をたたくときも、蚊の気持ちになってたたくと百発百中です。

すくおう!とか、たたこう!とか、そういう「我」が入ると、結果にそれが反映されるからだと思うのです。

すみません。変な話は終わりです。

話を元に戻しますが、要は、仕事をする時にはその対象の気持ちにならなければならないのです。

僕は翻訳という仕事もしておりまして、今、大変大きな仕事を請け負っています。

その仕事は、ITが社会、政治、経済に及ぼす様々な影響に関する報告書を翻訳し、パワーポイント形式で納品する仕事です。

純粋に翻訳という仕事以外の、編集的な要素も加わります。

はっきり言えば面倒くさい仕事かもしれません。

それでも、僕の仕事は「翻訳すること」ではなく、「利用者(依頼者)をその翻訳で満足させること」なので、笑って引き受けたわけです。

先日、広島県の元教育長の方から、「ゆとり教育」や「ゆとり世代」の話を聞く機会がありました。

僕の世代では「結果を出してなんぼ」というのが当たり前だったのですが、結果はどうであれ努力を評価してほしいというのが「ゆとり世代」の特徴の1つだそうです。(ただし、「ゆとり世代」のはっきりした定義はないそうです。)

仕事の成果を出せず上司に指摘された時、「こんなに努力したのに…」としかめっ面をするのですね。

あなたの仕事って何? 仕事観は人それぞれだと思います。1つの仕事観をすべてのひとに強制できません。しかし、仕事観を全く持っていない人があまりにも多いように思いますね。

仕事って何? 機会を設けて一度しっかり考えてみるといいですよ。