僕は11年間アメリカで生活しました。そこでは日本にいるとなかなか経験できない人間の特性に触れることができました。それは「自然な優しさ」です。

僕が住んでいた土地の一つはミシガン湖に近く冬はマイナス十数度にまでなるようなところでした。朝、ガレージの扉を開けると、そこは見渡す限りの銀世界。ドライブウエイには1メートル以上の積雪があるなんてざらでした。

ある冷え込んだ冬の日、午後から雪が降り始め、僕は積雪がひどくなる前に帰宅しました。もちろん雪かき(と言ってもエンジン付きですが)のためでもあります。

帰宅すると、向かいの家のお嬢さんが、僕の家のドライブウエイで雪かきをされていたんですね。もちろん顔見知りですが、他人の家のドライブウエイまで、大変な作業である雪かきをするなんて、日本ではなかなかお目にかかれない優しい光景です。

僕は思わず「どうして雪かきしてくれてるの?」と彼女に尋ねました。もちろん英語で(笑)

彼女は答えました。「お互い様だから!」

アメリカは宗教国です。ドル紙幣には「In God We Trust」と書いてあるんです。そんな国で助け合いの精神が自然と心に芽生えるのは理解に苦しみません。

アメリカでボランティア活動が活発なのも納得できます。

「助け合い」「優しさ」
これってものすごく魅力的な人間の資質ですよね。

ここで僕は思ったんです。

すべての人に優しくなれば、腹が立つこともなくなるのでは?

たとえば、JRのチケットを買うために並んでいると、前のおばあさんがとてもとても悠長で遅いとしましょう。こういうとき、「何やってるんだよ!こっちは急いでるんだ!」と、イライラすることが多いのではないでしょうか?

でも、「すべての人に優しく」が身についていると、「おばあさんは器用じゃないんだな。それともなにかわからないことでもあるのかな?」と思えます。手助けすることもあるでしょう。

人には人の理由や必然があるんです。だから、「きっとこのひとには何か理由があるんだ」と優しくなれると、その結果として、自分の心がとても穏やかになり、怒りさえ忘れてしまえるんです。

あなたも他人に優しくしてみませんか? 例外なく他人みんなにです。道ですれ違うときはニコッとしましょう。できれば「こんにちは」と声を掛けましょう。そうすれば、あなたの心がすーっと澄んできて、心地よくなることを請け合います。